血液中に含まれる糖分の量を血糖値と言います。この血糖を下げるホルモン・インスリンが膵臓から出にくくなり、血糖値が異常に高くなる病気です。日本人の「糖尿病」患者数は推定2200万人、4割の方は未治療とされています。「糖尿病」は糖尿病眼症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、心筋梗塞、脳梗塞などの合併症も多く、年間14,000人が亡くなっているというデータもあります。
基本的にかなり悪くなってからしか症状はでません。喉の渇き、多量の尿、体重減少、強い倦怠感が典型的な症状ですが、このような症状が出た時は危険信号です。血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が起こり、血管がぼろぼろに痛みます。合併症としては、「糖尿病網膜症」になると、目の網膜の血管が狭くなり、失明するおそれが出てきます。また、腎臓の血管が痛むと「糖尿病腎症」になり、人工透析が必要になる場合があります。「糖尿病神経障害」では、神経障害が足先から起こり、足の毛細血管がつまると、最悪、足を切断しなければならなくなります。これらもかなり悪くなってからしか症状がでないので、症状がないうちからしっかり治療しましょう。
血液検査で血糖値や血糖値の約2ヶ月間の平均を示すHbA1cなどを調べます。糖負荷試験により今の糖尿病の状態を正確に糖尿病専門医が判断します。
また、血圧脈波検査、頸動脈エコー検査で動脈硬化がないかを確認し、尿中アルブミン検査などを施行しすることにより合併症を評価し、糖尿病専門医がしっかりと全身をチェックします。
治療の原則は、食事療法、運動療法です。当クリニックでは、必要な食事量やカロリーを計算し、おひとりおひとりに合わせた食事指導を栄養士が行います。また適切な運動療法を紹介させていただきます。できるだけ薬はなるべく少なくすむように考慮しますが、必要な場合には、数多くある糖尿病治療薬から一番それぞれの患者さんにあった薬・量を糖尿病専門医が選択します。また外来でのインスリン治療の開始、インスリンポンプ療法や新薬の使用など糖尿病専門医ならではの治療も可能です。
糖尿病の約5%は若い人に多い1型糖尿病です。ウイルスの感染や自己免疫によりインスリンを出す膵臓の細胞が破壊されインスリンが出なくなります。インスリンがないので血糖値は急激に高くなります。若い人に突然に発症します。
2型糖尿病と違い、急激に発症するので、喉の渇き、多量の尿、体重減少、強い倦怠感などの典型的な症状がでます。合併症は基本的に一般的な糖尿病合併症と同じですが、若い頃から長年、糖尿病と付き合わなければならないので、しっかりと検査して、病気と上手に付き合っていく必要があります。
血糖値や血糖値の約2ヶ月間の平均を示すHbA1cなどに加え、1型糖尿病に特殊な血液検査をし、正確に糖尿病専門医が診断します。
治療の基本はインスリン治療になりますが、患者さんの生活リズムにあわせ、糖尿病専門医が患者さんに一番あった治療を提供するので、時にはインスリンポンプ療法などマニアックな治療にもなります。もちろん、食事療法、運動療法も指導します。当クリニックでは、カーボカウントなど1型糖尿病に特有な栄養療法も施行が可能です。また、新薬が出た場合には、糖尿病専門医がいち早く取り入れた最新の治療を提供可能です。